和風シンデレラストーリー×ファンタジー小説『わたしの幸せな結婚』

読書案内

2023年に映画化&アニメ化され話題になった、顎木あくみさんの著書です。母を亡くした不幸な女の子が名家の御曹司と婚約し、美しく幸せになっていく物語。王子様のような素敵な男性に巡り合い、幸せな結婚をするシンデレラストーリーは、女性なら誰でも憧れますよね。このお話は恋愛に加えて、人を襲う異形と闘うというファンタジー要素もプラスされたお話で非日常的な世界観に浸れます。

読書メーター

本の特徴や難易度を示します。参考になさってください。

読みやすさ上級者・・・・★初心者
文体硬い・・・・★軟らかい
ロマンスNO・・・・★YES
ドキドキハラハラNO・・・・★YES
年齢若者向け・★・・・大人向け
筆者個人の感想です。

最近キュンキュンしていないという方や、恋愛小説が好きだけど堅苦しい小説は苦手!という方はおすすめです。不幸な主人公が幸せな結婚をするという典型的なシンデレラストーリーで退屈という意見もあるかもしれませんが、すらすら読みやすいので私は楽しめました(^^♪

登場人物

  • 斎森 美世(さいもり みよ):名家である斎森家の生まれであるが、母を亡くし、実父・継母・義妹に虐げられ使用人のように暮らす。
  • 久堂 清霞(くどう きよか):当代最強と謳われ、対異特務小隊の隊長を務める。冷酷無慈悲で縁談でやってきた女性たちをことごとく追い返してしまう。
  • 辰石 幸次(たついし こうじ):美世の幼馴染。異能を受け継ぐ名家・辰石家の次男。美世に想いをよせる。

あらすじ

時代は明治・大正。人を襲う異形が存在する世界。普通の人間には見えない異形を討伐する異能者たちは、代々異能を受け継ぎ、世の平和を守ってきました。中でも、久堂家は多くの異能者を輩出し功績を上げてきた名家中の名家で、当主の清霞は当代最強と言われ名をはせていました。しかし、そんな清霞は女性にも容赦がなく、婚約者を次々と追い出してしまいます。

一方の美世は、地味で大人しく、斎森家で使用人のように暮らしていました。異能を持たないがために家族からも軽んじられていたのです。そんな美世に清霞との縁談が舞い込みます。斎森家を出られる一方、冷酷無慈悲と言われる清霞のもとへ嫁ぐことに大きな不安を感じる美世は、一体どうなるのでしょうか…?

注目ポイント

少しづつ距離を縮めていく初々しい2人

これまで何人もの女性が逃げ出したという噂のたつ清霞のもとへ向かう美世は、追い出されるか、斬られるかとびくびくしながら久堂家の門をたたきます。通された部屋にいたのは、凛々しさをたたえた美男子。厳しいことを言われますが、普段からきつい言い方をされることに慣れていた美世は、すぐさま了解し部屋をあとにするのでした。
一方の清霞は、初めは美世に冷たい接し方をしますが、これまで出会ってきた令嬢たちとは明らかに違う、地味で従順な美世に戸惑いを感じます。

最初はぎくしゃくする2人ですが、一緒に過ごすうちに徐々に距離が縮まり打ち解けていく様子が初々しいです。また、この小説のおもしろいポイントのひとつは、美世の視点と清霞の視点両方から描かれている点です。両者の気持ちになって読んでみてください。


和風な世界観がGood♪

シンデレラというと西洋のイメージですが、この小説は日本の明治・大正時代が舞台になっています。近代化が進み、和と洋が入り混じる時代で、現代の私たちからするとレトロな感じです。道路が舗装され、レトロな自動車が走り、でも街には高層ビルはない。着物を着た人もいるし、スーツや軍服を着た男性、スカートやワンピースを着たモダンな女性がいたり。
和洋折衷な世界観がおもしろい作品です。

おわりに

不幸せな女の子が白馬に乗った王子様に見初められ幸せな結婚をする…典型的なシンデレラストーリーは女性なら誰でも憧れると思います。この小説は、シンデレラストーリーをなぞりながらも、異形と闘うという設定や、様々な能力を持つ家々、また王子様役である清霞が冷徹な人物像で、美世に出会うことで少しずつ変化していくという展開が特徴的です。

おもしろかったので、私は今、第2巻を読んでいます。また後日、記事にします。
シンデレラストーリーがお好きな方はぜひ読んでみてください♪

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