ビートたけし作、純愛小説『アナログ』:便利なデジタル時代に読みたい本

読書案内

2023年10月に映画が公開された、ビートたけしさんによる純愛小説です。たけしさんらしいボケとツッコミの掛け合いが笑いを誘う、笑いあり涙ありのストーリー。主人公の真っ直ぐな恋心や仲間たちの人情が美しく光る作品です。

読書メーター

本の特徴や難易度を示します。参考になさってください。

読みやすさ上級者・・・・★初心者
文体硬い・・・・★軟らかい
ロマンスNO・・・・★YES
ドキドキハラハラNO・・・★・YES
年齢若者向け・・★・・大人向け
筆者個人の感想です。

会話が多く、テンポよく話が進んでいくのですらすらと読めます。真剣な大人の恋愛ものが読みたいときにおすすめです。

登場人物

  • 水島 悟(みずしま さとる):東京のデザイン事務所で働くデザイナー。レストランやホテルの設計の仕事に追われ忙しい毎日を送っています。
  • みゆき:悟が喫茶店「ピアノ」で出会った女性。上品でどこか謎めいた雰囲気。

あらすじ

デザイナーの水島悟は、自身が手掛けた喫茶店「ピアノ」でみゆきに出会います。初対面にもかかわらず、みゆきに強く惹かれる悟。連絡先を知らないまま毎週木曜日に会う約束をし、2人は徐々に仲を深めていきます。大阪への出張でピアノへ行けない週もあるけれどいつもみゆきを思う悟は、ある日、大阪に数年常駐するように言われます。みゆきに想いを伝えようと決意しますが、突然みゆきはピアノに姿を見せなくなります。一体、みゆきに何があったのか。仕事が忙しいのか、異動になり引っ越したのか…2人はどうなってしまうのでしょう?

注目ポイント

「お互いに会いたいと思う気持ちがあれば、絶対に会えますよ」

みゆきに惹かれる悟は連絡先を聞き出そうとしますが、みゆきはこう言い、2人は連絡先を知らないまま、都合が合えば毎週ピアノに来て会おうという約束をします。スマホやパソコンなど便利なものが溢れる時代に、このようなアナログな会い方はロマンチックですね。昔はきっとこういった形で愛を育んでいく人が多かったんだろうな。

主人公を取り巻く人々の厚い人情

悟には居酒屋でバカ騒ぎする飲み仲間・高木と山下がいます。いつもくだらない話で盛り上がり、悟の恋を冷やかしながらも応援します。バカっぽい人たちですが、悟のピンチには駆けつける頼れる仲間で、男の友情っていいなと思わされます。
他にも、悟の同僚や仕事仲間たちも情に厚い人が多く、いろいろと世話を焼いてくれます。そういった登場人物たちの人情にも注目してみてください。

おわりに

電話、メール、LINEが当たり前の今の時代、悟とみゆきのような場所と曜日だけを決めて「会えれば会う」といったデートスタイルは、現代人からすると却って斬新な感じがしますね。「今日はいるかな?」と毎回考えながらお店に入っていく。会えたり会えなかったり、それもまたロマンチックでもあります。デジタル時代にちょっとアナログな2人の恋愛模様を覗いてみてください。

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